黒斑山 Mt.Kurofu / by Shimpei Miyata

今年の冬は東京でもあんなに寒かったのに、ようやく暖かくなったと思ったらみるみる桜が満開になって、そしてそのままの勢いで一気に花びらを散らしてしまった。毎年思うけどお花見のタイミングはシビアだ。

年が明けてからイベント続きだった3月を乗り越えて、ようやくひと段落したところで久しぶりに山へ。今回の行き先は浅間山の周りをぐるりと囲む第一外輪山の中で最も標高の高い黒斑山(標高2,404m)。この時期街では上着もいらないような陽気の日もあるくらいだけど、山の上ではまだまだ雪の積もった残雪期。雪山入門としても人気の黒斑山にもまだ雪が残っている。

今回のコースは以下の通り。車坂峠〜表コース〜トーミの頭〜黒斑山〜トーミの頭〜中コース〜車坂峠。

今回は終始雲ひとつない好天に恵まれて、撮った写真を見返してみても全ての色が光り輝いて見える。同じ雪山でも1月の北横岳とはまた全然違った雰囲気なのは、露出した地面の色や栂の葉のツヤっとした表面の緑から春の空気を感じるからだろうか。歩いていてもシラビソやコメツガの葉が気になって、立ち止まっては写真を撮ってしまう。

そういえば1月の北横岳ハイキング前日に愛用していたカメラのFM2を落として壊してしまい、修理も含めどうするか悩んだのだけど、これを機に前から欲しかったFM3Aにする事にした。ニコンが最後に出した35mmフィルム1眼レフとあって、最高のバランスと使い勝手でこれ以上はないかもしれない。

そんなわけで今回からニコンのFM3Aになりました。FM2も長い間お世話になりました。壊しちゃってゴメン。(実はその間に心優しい友人からF3を貸してもらったりして、フィルムカメラだけでも結構な変遷を辿ってきたので、また今度カメラに関しても少し書こうかな)

黒斑山は頂上から目の前に鎮座する浅間山を見渡せるのが一つの特徴でもある山。明らかに山容が他と異なる浅間山は、登っている途中で視界に入ってきた瞬間に異様な迫力で圧倒されてしまう。木々の一切生えていない山肌ってのはやっぱり少し不思議な感じがして怖さすら感じた。

浅間山は2018年4月現在で噴火警戒レベル2になっているので、火口から半径2kmまでは立ち入り禁止。一応看板には「賽の河原までは登山可能です」とは書いてあったけど、それは逆に帰ってこれないような雰囲気が字面から感じ取ってしまったので、黒斑山山頂で休憩した後そそくさと元の車坂峠に引き返す。

風もなく暖かな中で歩く雪山は、目が開けられない位に眩しくて、穏やかで楽園のようだった。まだしばらく続く雪山シーズン。次はどこへ行こうか。