至仏山 Mt.Shibutsu / by SHIMPEI

今年のG.Wは迷った結果、尾瀬の至仏山へ登ることにした。
4月頭の戦場ヶ原でアイゼンを試してから次のステップとして良さそうな山を探していたが、ここはそういった意味では雪山初心者にとってうってつけの山に思えた。
至仏山は尾瀬ヶ原の西に位置し、標高2,228Mの山だ。雪の少なかった昨年と比べて、今年は十分に雪が積もっているようでG.Wの時期はまだ尾瀬ヶ原も一面雪景色だった。

せっかくの連休だし余裕をもって、ということで山ノ鼻のテント場で2泊して間で至仏山を登るというゆるめの計画を立てた。初めての雪山でどれくらい時間がかかるか正確なところが分からない、ということもあったので保険の意味も込めて。

1日目はとりあえず鳩待峠から山の鼻まで。
2日目に至仏山を登りまた山の鼻へもどる。
3日目に尾瀬ヶ原を少し散歩して帰路へ。

という内容。
人によっては日帰りするルートを3日に分けるのだから贅沢登山だ。

尾瀬へ向かう途中、電車が遅れてしまった為に、その後の乗り継ぎのことを考えて一駅だけ上越新幹線のMaxトキに乗車。2階建ての車両でブルーとピンクに塗り分けられた見た目の可愛らしさに思わぬタイミングでハートを射抜かれる。後で調べてみるとこのE4系のオール2階建て車両はそろそろ引退のようで、好きな子に告白したら次の日転校しちゃったような寂しい気分になる。残念だけど今回少しだけでも乗れてよかった。

まぁ、寝るよね。今回はそんなに朝早くなかったけど電車やらバスやら乗り継いで、移動時間は長い。東京では早々と散った桜がこちらではちょうど満開を迎えようとしていた。

鳩待峠に着いたのは15時前。バックカントリーを楽しみに来ている人が多いようで皆何かしらの板を担いで歩いている。山頂から颯爽と滑り降りてくる姿は想像するだに気持ち良さそうで、羨ましくもあるのだけど、ここ数年部屋の片隅でオブジェと化したスノボの板を思い出してなんかゴメンという気分になってしまった。使ってないものに対する罪悪感ってなんだろね。
気を取り直して我々も不慣れなアイゼンを取り付けて歩き出す。鳩待峠から山の鼻まではだいたい1時間半位だ。

17時前には山ノ鼻のテント場に到着。テントを設営した後早速夜ご飯に。

寒い中で食べる暖かい料理の美味しさは前回の戦場ヶ原で実感したけど、それに加えてキンキンに冷えたビールが追加されるとさらに極楽度が増す。夏と違って温くなることはなく、ビールにとってのベストパフォーマンスを常に保てるのは冬山ならではだと思った。疲れた体に染み渡る。寒くてもうまい!

今回の山行で一番心配だったのは夜の寒さだった。残雪期とはいえ夜どの程度まで冷えるのか、そしてその寒さに耐えられるのか。それが最も大きな不安要素だった。

結果として、寒すぎました。我々の持っている寝袋はモンベルの#3と#5だけで(数字が下がれば下がるほど対応温度も下がる。#5は夏山向け。)、今回はその2つをドッキングさせて使ったので#4くらいになってるのかも知れないけど、全然保温力が足りず。寒くて眠れないあの辛さ。そもそも寒さに弱いんだった。(それでも2泊したけど)奥さんは2日目はサバイバルシートを巻いて寝たらそれなりに暖かかったらしい。さすが緊急用。意地張らずに自分も使えばよかった。着込めば何とかなると思ったんだけどなぁ。あー寒かった。来年は#1か#2を買うことになるのか。

2日目にいよいよ至仏山を目指す。至仏山の特徴として標高の割と低い内から森林限界を迎えるため眺めがよいとのこと。下から見る限り平たくてとても登りやすそう。
昨日に引き続き目が眩むほど天気がいい。

遠目から見ていると一面に積もった雪で凹凸がなく緩やかな斜面をただひたすら登って行けばいいように見えたのに、 実際に登り初めて見ると想像以上に辛い。開けた景色を目前に登るのは初めの内は気持ちいいのだが、次第に壮大な景色と相対的に自分たちの一歩の小ささを嫌という程思い知らされるようで辛くなってくる。アイゼンをつけた靴の重みが追い討ちをかける。

背後にそびえる立派な燧ヶ岳を励みにひたすら1歩ずつ登っていく。

10時半に山頂に到着。ついた途端のパノラマビュー。さすがのG.Wとあって人は多かった。
そのまま小至仏山に抜けようかと思ったけど、体力のない我々はあっさり諦めて、残雪期限定の至仏山から山の鼻への下りルートで戻る事に。

登りが辛い分、下りはかなりの距離を滑って降りてこられる。腰を雪面に下ろして滑るシリセードが楽しくて、わーきゃー叫びながら滑っていたけど気がつけばビショビショになってしまい、途中から滑りたいのに滑れず。
用意のいい人はプラスチックの平たいスコップのようなソリを持参しており、気持ち良さそうに滑っていた。くそー。次は持って行こう。

結局そのまま山の鼻まで戻りもう1泊した次の日に、尾瀬ヶ原を散歩して帰路につく。

G.Wは天気にも恵まれ、2泊した結果ゆったりとした時間を過ごせてとても良い時間でした。時間が許すならばこれ位の余裕を持った登山がしたいなぁ。

あとは決定的に寝る時の寒さ対策が必要です。ノーモア震えて眠れない夜。ノーモアサバイバルシート。